短編・掌編

 私は、人形の髪の毛を切っていた。
 ジャク、ジャク、ジャク、ジャク、ジャクジャク。
 鋏を入れる度に、髪の毛はどんどん短くなる。
 ジャク、ジャク、ジャク、ジャク、ジャクジャク。
 長かった髪の毛はみ ...

短編・掌編

 すらりと抜かれた刃に、彼女は目を細めた。
 そんな彼女の反応は気にも留めず、刀護(かたなもり)は鞘を無造作に腰紐へ押し込み、刀を右手に握った。
 とはいえ、構えるでもなく腕はだらりと下げたままだ。
「……あー ...

お題

10:かくも虚しき人の性弔いのうたすら届かずに
あなたの孤独を包む腕があるのなら
殺した理性の傍らで
安眠場所は君のそば
純真無垢解除装置
純愛監獄
引きちぎる愛の鎖と絶望感
その手を離せるわけがな ...

お題

9:閉じた世界の最果て魂魄の尊厳
永遠時知らず
音色のもたらすもの
離別と契約
逝きすぎた意志
まっさらな言葉
光の落ちた苑
冷たい愛に抱かれて
無機質眼球
廃棄人間/人心廃棄
あ ...

お題

8:魂の重さを量るほど私は命の深みを知らない星の砂時計
空花乱墜(くうげらんつい)の刃
ガラクタギミック
堕落した快楽
官能ドルチェ
つまりそれはどこまで行っても交わることがないわけだけれど
気づかないっ ...

お題

7:わたしが私を殺し、あなたがわたしを消した狂おしきかな我が幸よ
歪んだ鏡と静けさに
水底に沈んだ望みの価値と絶望の因果を解く
青に染まった眼裏(まなうら)
失速せし幻
侵食駆逐装置
境界の花散らし ...

お題

6:僕の中で君が死んだ日力を欲した代償は、己の中で葛藤す。
血塗られた手で痕が残る程、強く、引っかいて。
つぐないを受け止めて欲しいが為、尽くして追い詰める。
慣れてしまえば、後は堕落するだけだ。
この道に祝福あれど ...

お題

5:終わりの終わりは全ての始まり紙きれのような幸せ
ほし うた かなた
塗り潰しのハッピーバースデー
はらはら散る躯 ひらひら零れる思慕
戦慄≧友情
禁断×パラノイア
もどかしい程想いは深く
路傍の ...

お題

4:壊死する体温光さす庭にて賛美を
生殺与奪に囚われた
仕上げは甘くとろけるように
乱倫倫理の眼には
心の朽損(きゅうそん)
滞(とどこお)る正義
しなやかに堕ちる夜、雲の向こうに永遠を見た
それは ...

お題

3:透き通る血管に爪を立てて透き通る血管に爪を立てて
どんなに繋ごうとも届かずに
抉り出された心臓抱きしめて
あなたの瞳は血に染まり
魂の洗礼
不確かな枷
灰にまみれた道をさ迷う
軛/頸木 (くびき ...