葬送吟詠

 暗さに沈んでいくのは心地が良い。

 どす黒く染まった空が、やけにきれいに見えた。雲の切れ間もなく真っ暗な夜はどこまでもやさしく包んでくれるようで、サヨリはほっと息をつく。強張った体が弛緩する瞬間が一番危ないのだと言ったの ...

葬送吟詠

 この世界には、“知らなくてもよいこと”がある。
 だから、“聞かなくてもよいこと”もある。

 

 逃げ出そうとした足に斬りつける。とりあえず、足止めが肝心だ。逃げられてしまっては元も子もない ...