夜中の救いとそれだけが

あなたしかいないのだと縋ってみればよかったのだろうか。と考えてはみるものの、そんなことはできっこないのは自分が一番よく知っている。思えば他人というものに期待しすぎていたのだと思う。自分が自分である為に他人を利用する。それは簡単かつ楽な方法で、それ以外のやり方は知りえなかった。自分の両手は微弱で貧弱で、そう思い込めば何だってできた。心も体も自身と切り離してしまえば楽になった。それは、自分ではないのだと念じればいいだけ。念じなくてもそうあることが普通になってしまえば後は機械のごとくこなしていくだけ。ライン仕事と一緒だ。そうして自分というものを今一度作り上げた先にあったもの。それすら虚構にすぎなくて、それすら自分なのかと解らなくなっていて。朝も昼も夜も一緒になってしまった自分に、あなたは夜中を教えてくれた。
結局、そう、自分は誰かに依存することで存在していたのだ。
あなたしかいないのだと声を上げた所でそんなものは薄っぺらい吹けば飛んでいくようなもので。そうして少しずつ流れ出ていったものは最早自分であったものなのかどうなのかも解らない。解らないことは怖いことだと思っていたが、それもそのうち麻痺してしまった。あなたの為に自分はあるのだと暗示をかけることで心地よい幸福に浸れた。この上なく幸いで天にも昇るような気持ちよさ。それだけが自分を自分たらしめる。それだけが自分がまだ存在するのだと思わせてくれる。それだけが、私、を、