何故もこう愚かなのだと罵られ
その存在こそが不必要なのだと嘲笑う
意味もないのにここにいることは
塗りつぶした顔から背ける行為と違うのか

何度も言われたその”意味”を
“意味”を”意味”を” ...

呪いをかけた
わたし以外の人が見えなくなりますように
わたし以外の人のことを考えなくなりますように

呪いをうけた
おまえしか見えなくなりますように
おまえのことしか考えなくなりますように ...

お疲れさまと縋る手がむしょうに気持ちが悪かった
お前が求めているのは私じゃないだろ
いつまで私を身代わりにすれば気が済むの
聞いたこともない猫なで声で私を呼び
慣れない手つきで私を抱く
帰って来 ...

打ち捨てられた手足を拾い集め
何故このような事態になったのかを考えてみる
抱きしめた腕は切られてしまい
押しつけたキスはもぎ取られてしまった
朝から何も食べていなかったのに出る時は出るものなのね ...

葬送吟詠

 暗さに沈んでいくのは心地が良い。

 どす黒く染まった空が、やけにきれいに見えた。雲の切れ間もなく真っ暗な夜はどこまでもやさしく包んでくれるようで、サヨリはほっと息をつく。強張った体が弛緩する瞬間が一番危ないのだと言ったの ...

葬送吟詠

 この世界には、“知らなくてもよいこと”がある。
 だから、“聞かなくてもよいこと”もある。

 

 逃げ出そうとした足に斬りつける。とりあえず、足止めが肝心だ。逃げられてしまっては元も子もない ...

短編・掌編

 私は、人形の髪の毛を切っていた。
 ジャク、ジャク、ジャク、ジャク、ジャクジャク。
 鋏を入れる度に、髪の毛はどんどん短くなる。
 ジャク、ジャク、ジャク、ジャク、ジャクジャク。
 長かった髪の毛はみ ...