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交わらない世界で

可哀そうな女だ、とあなたは言った
どんなにお前が想っても想っても気づいてもらえないのは可哀そうだ、と
そういうものなのだろうか
私はあの人のことを想うだけで心があたたかくなる
私はあの人のことを考えるだけで嬉しくなる
それでもお前の存在をあいつは知らないのだろう
それは切ないことじゃないか、と
私はあの人を見るだけでいいのだ
私はあの人を感じるだけで幸せなのだ
私にとってあの人はそういう人だ
でも、本当は気が付いてほしいだろう、とあなたは言う
こちらを向いて笑って、抱き合って、本物のあたたかさを感じたいだろう

私にとってそれは、許されないこと

可哀そうな女だ、とあなたは繰り返す
お前の存在は抹消されてしまっているのに、それでも想うのか
お前がいたことすら忘れてしまっているというのに
それでも私は、あの人のことを覚えているだけでいい
あの人は決して私のことを思い出さないだろう
それでも私は、あの人のことを想うだけでいい

やっぱり可哀そうな女だ、とあなたは泣いてくれた

あなたを選んだわけじゃない

あなたを選んだわけじゃない

偶然あなたがいただけ
あなたはただそこにあっただけ
風に乗ってここまで来た
ただの偶然 偶々

あなたがどう思おうとも始まってしまった
あなたの感情など構いもせず
あなたの環境など構いもせず

それは
重荷に潰されるかもしれない
それは
あなたがあなたでなくなってしまうかもしれない
それでも粛々と受け入れるだけ

あなたを、選んだわけじゃない

この暗い暗い道のりを安らぎだと思える日はくるのだろうか
あなたをあたたかいと感じる日はくるのだろうか
あなたが幸せだと笑う日はくるのだろうか